ドローン点検のコストは?水中ドローン導入で得られる“見えない利益”とはBy SeaChallenge / 2025年7月28日 安くはない、けれど導入する価値があるのか? 水中ドローンによる点検は、決して「コスト削減目的」の技術ではありません。むしろ、初期投資や操縦ノウハウの習得を考えると、「潜水士に任せたほうが早い」「費用対効果が合わない」と感じるケースもあるかもしれません。 しかし、私たちが実際の現場で感じているのは、数値に表れない価値=“見えない利益”の大きさです。 ① 高精度な映像・記録が残るということ 水中ドローンの最大の強みのひとつは、映像記録の「客観性」と「再現性」です。潜水士の目視確認やメモとは異なり、誰が見ても同じ映像が残るため、 複数人での解析 時系列での劣化比較 AI診断との組み合わせといった使い方が可能になります。 これは、後から「確認できる」「見直せる」「他人に説明できる」という、非常に重要な価値を持っています。 ② 安全を守る手段としてのドローン もうひとつ見逃せないのが、人が危険な環境に入らなくて済むという安全面でのメリットです。 たとえば… 崩落のリスクがある護岸 有毒ガスの懸念がある下水 潮流や視界不良の港湾施設 こうした現場で、まずドローンを入れることで安全確認を行うことができます。これは、「作業員の命を守る」という、何よりも優先すべき利益です。 ③ 操縦の技術ハードルが比較的低い 潜水士の育成には、年単位の経験と体力が求められます。一方で、水中ドローンの操縦は数日〜数週間のトレーニングで実務に活用可能。近年の機種は、安定制御やオートホバリングなどが充実しており、“現場担当者の延長”として使える道具になってきています。 また、若手・文系出身・女性スタッフでも扱えるという点も、技術継承の面で大きな可能性を秘めています。 経済的価値ではなく、“構造的価値”の創出へ 水中ドローンは、今のところコスト削減の道具ではありません。ですが、以下のような「構造的な価値」をもたらします: 項目 従来の調査 水中ドローン導入後 映像記録 目視・手書きメモ 高精度・客観的・再利用可能な映像データ 安全性 人が直接入って確認 遠隔から安全に状況把握可能 技術継承 経験と勘に依存 データ化とマニュアル化が可能 外注依存度 潜水士・専門業者に依存 一部を自社内完結へ 「利益」ではなく「余白」を生む技術 水中ドローンは、費用対効果という尺度で測ると物足りないかもしれません。しかし、「人を守る」「技術を残す」「時間を記録する」という余白を生み出してくれる技術です。 それは、見えない場所を見えるようにする以上に、“見えなかった可能性”を拓く技術かもしれません。 お見積り、資料請求など、お気軽にご相談ください お問い合わせフォームへ ROV/UAV、BIM/CIM等 045-294-4255 潜水、維持管理業務等 045-744-9481