3D点群ってなに?ドローン測量との違いや活用法

3D点群とは 空間を“点の集まり”でとらえたデータ

「3D点群データ」とは、物体の形状や地形を無数の点(ポイント)で再現した三次元デジタル情報のことです。
各点には位置情報(X, Y, Z)が含まれており、それらが集まることで、立体的な構造物や地形を正確に可視化することができます。

見た目は「点で構成された立体画像」のような印象ですが、実際には数十万〜数億の点が集まっており、非常に高精度な3Dモデルとして建設・調査の現場で広く利用されています。

点群データはどうやって取得するのか?

点群データの取得には、主に以下の2つの方法があります。

1. レーザースキャナ(LiDAR)による取得

レーザーを照射し、対象物からの反射時間を計測して距離を算出する方法です。
地上型のスキャナや、ドローン・航空機に搭載する空中型もあり、建物や地形、構造物などを広範囲に高精度で測定できます。

メリットとしては、光が届く範囲であれば凹凸や陰になった部分も拾えるため、構造物の裏側や入り組んだ場所にも強いという特徴があります。

2. SfM(Structure from Motion)による写真測量

複数の写真をもとに、対象の形状を3D空間上に再構成する技術です。
ドローンによる空撮と組み合わせて使うことが多く、現場での準備が少なく済み、比較的安価に導入できます。

ただし、凹凸が激しい場所や光が当たらない部分の再現には弱く、精度がやや劣る場合があります。

写真測量とレーザー点群の違い

以下の表に、それぞれの手法の違いをまとめました。

比較項目写真測量(SfM)レーザー点群(LiDAR)
精度中程度(cm~10cm)高精度(mm~cm)
遮蔽物の対応弱い(影や裏側に弱い)強い(凹部も取得可能)
データ容量軽め大容量
導入コスト比較的安価高価(機材・技術)
適した用途地形の大まかな把握精密な構造物の形状記録

写真測量は手軽で低コストな反面、構造物や複雑地形に弱点があります。
一方、レーザー点群は費用が高いものの、精度と再現性に優れており、重要な構造物の調査に向いています。

港湾調査での活用事例

港湾施設は、構造物・水際・地形が混在しており、通常の調査手法では把握しきれない点が多くあります。
そこで、3D点群データの活用が進んでいます。

1. 護岸や岸壁の形状確認・損傷検出

構造物の傾き、沈下、ひび割れなどを、点群データによって立体的に可視化できます。
従来の2D図面や写真では見逃されがちだった変化も、3D空間で観察することで把握しやすくなります。

2. 海底地形の把握と土量計算

水中ドローンや測深ソナーと連携して、海底の点群データを取得することで、掘削や埋戻し前後の地形を比較し、土量計算が正確に行えます。
視覚的な説明資料としても活用しやすく、発注者への報告にも有効です。

3. ひび割れ・劣化の解析とAIの連携

点群データに色情報を重ねることで、AIによる異常検出(ひび割れ・鉄筋露出など)も可能になります。
点検の属人性を減らし、客観的かつ定量的な評価につながります。

3D点群は“空間を理解する力”を与える

港湾施設の調査は、従来の紙図面や写真では限界がありました。
3D点群を使えば、構造物・地形・水中の状態を一元的に把握し、定量的に評価できるようになります。

技術の進化により、取得のしやすさや解析スピードも向上しており、今後はさらに多くの現場で3D点群が標準となっていくでしょう。


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