港湾調査もここまで進化!3D×AIのインフラ点検が本格始動

これからの港湾点検は、“見る”から“解析する”時代へ

港湾インフラの点検は、これまで長年にわたり目視と紙の記録に頼るアナログ作業が中心でした。
しかし近年、急速に進化しているのが、「3Dデータ×AI解析」を活用したインフラ点検です。

構造物の状態を3次元で可視化し、そこにAIの技術を掛け合わせることで、点検の効率・精度・再現性が格段に向上しています。

3Dデータ × AIによるクラック検出

ひび割れ(クラック)は、港湾施設において重要な劣化指標の一つです。
従来は熟練ダイバーや技術者による目視での確認が主流でしたが、見落としや主観の差異人手不足といった課題がありました。

そこで近年注目されているのが、AIによるクラック自動検出技術です。

  • 撮影された水中写真や構造物表面の画像をもとに、クラックの幅・長さ・密度を自動で抽出・分類

  • 判定結果は3Dモデルや図面とリンクし、視覚的に表示

この仕組みにより、誰が見ても同じ結果が得られる客観的な点検が可能になります。

また、定期的に撮影したデータを重ねて比較することで、経年劣化の進行状況を時系列で把握することもできます。

点検データのクラウド連携とBIM/CIMとの統合

取得した点群データやAI解析結果は、クラウドシステムと連携することで、遠隔地からでもリアルタイムで共有・確認が可能になります。

さらに、国土交通省が推進するBIM/CIM(Building/Construction Information Modeling)と統合することで、以下のような高度な情報管理が可能になります。

  • 点検データをBIMモデルに直接反映

  • 設計・施工・維持管理の各段階で同一データを活用

  • 将来的な改修や補修時に、過去の劣化記録を活かせる

これにより、単発の点検ではなく、ライフサイクルを通じた施設管理へとつながります。

「紙の報告書」から「3Dで見せる点検」へ

従来の点検報告は、写真と数値、手書きの図面によって構成されていました。
しかし、3D点群やAIの活用によって、報告のスタイルそのものが変わりつつあります。

  • 点検結果を3Dモデル上に視覚的に表示

  • 劣化箇所の位置・範囲・深さが一目でわかる

  • 閲覧者(発注者・設計者)も空間的に把握しやすくなる

発注者や関係者に対して、「点検結果を説明する」から「一緒に“見る”」へと、コミュニケーションの質が変わります。

これにより、納得感・信頼感のある成果報告が可能になります。

点検は“テクノロジーの力”で、もっとスマートに

港湾施設の老朽化が進む一方で、技術者の高齢化・人手不足・コスト制約といった課題も深刻です。
だからこそ、3D×AIという新しい選択肢が、点検業務の未来を切り開いています。

  • 高精度でブレない判断ができる

  • 現場作業が少なく、安全性が高まる

  • 再利用可能なデータで、長期的な資産管理ができる

こうした点から、港湾点検の分野でも「テクノロジーを導入する理由」が明確になってきました。


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