ダムの安全は“水中”から守る〜水中ドローンが変える点検の新常識〜

私たちの暮らしを支える、巨大な構造物――ダム
発電、水道、防災といった重要な役割を担うこのインフラの点検業務は、高度な安全性と正確性が求められる分野です。

中でも、ダム堤体や構造物の水中部分の点検は、視界が悪く、人の手で容易に確認できない「見えないリスク」が多く存在します。

そこで今、注目されているのが水中ドローン(ROV)による非接触点検です。

水中の「見えない劣化」が、最も危険

ダムの安全性を確保するには、堤体のひび割れや浸食、放水口の劣化、堆積物の蓄積など、
水中に隠れた異常を早期に発見・対処することが重要です。

しかし、従来の点検方法では大きな課題がありました。

  • 潜水士による点検は、水圧・低水温・視界不良などの過酷な環境

  • 点検にかかるコストと日数

  • 潜水できるエリアやタイミングに制限

  • 災害時や緊急時には対応が遅れることも

これらの問題から、「定期的に調べたいけど、なかなか実施できない」という現場の声も多く上がっていました。

水中ドローンで実現する「安全・効率的な点検」

水中ドローンは、これらの課題を根本から変える技術です。

  • 地上から安全に操作でき、潜水作業が不要

  • 高性能カメラとライトを搭載し、水中の状態を鮮明に映像化

  • 放水口や取水口、堤体基礎、魚道など、細部まで接近調査が可能

  • 撮影映像はすべて保存・再確認が可能

  • 経年比較・劣化分析に活用でき、補修計画の判断材料にも

調査対象が「深く、広く、危険」なほど、水中ドローンの有用性が発揮されます。

災害時にも即応できる柔軟性

地震、集中豪雨、大規模出水などの自然災害により、
ダム施設が被害を受ける可能性は常にあります。

このような緊急時、人が近づけない状況でも水中ドローンは即出動可能
堤体の損傷や漏水箇所などを迅速に確認し、初動対応の判断に貢献します。

「見える化」と「蓄積」で、次の点検がもっとスマートに

水中ドローンで取得した映像データは、点検報告書だけではなく、次回調査時の比較資料にもなります。
映像や測定データは蓄積可能で、経年変化や劣化傾向の可視化が進みます。

さらに、GISやBIM/CIMと連携することで3次元モデル化も可能になり、
より戦略的な維持管理へと発展していくのです。

行政・民間での導入が進む理由

すでに国土交通省や自治体による実証実験も各地で進んでおり、
建設コンサルや維持管理業者でも導入が進んでいます。

水中ドローンは「単なる点検ツール」ではなく、
人命と構造物の安全を守るインフラ保全の新しい選択肢として定着しつつあります。

ダム点検の新常識、それは「潜らずに、見える」こと

ダムの安全性は、見えない部分をどれだけ正確に把握できるかにかかっています。

水中ドローンは、その“見えない場所”を安全に、効率的に“見える化”する強力な技術です。
これからの点検業務において、水中ドローンの活用は「新常識」になると私たちは考えています。

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